鮮度維持テクニック
業務では野菜の鮮度管理は非常に大切な項目です。色々な野菜の種類によっても保存方法は異なっています。野菜の種類ごとに説明していきたいと思います。
野菜(植物)は収穫するまでは酸素を作り出していますが、収穫され単独で体を維持するようになると酸素を取り込んで何とか生きようとします。エチレンの増加
この時点でため込んだ栄養を使って呼吸するため野菜の鮮度や栄養が失われていくのです。呼吸量は温度によって増減するので冷蔵して呼吸量を抑えることで鮮度が伸びるのです。
【保存のためのポイント】
1)野菜に適した温度帯で保存する。(最適な状態でも1週間くらい)
常温: 南瓜、トマト、ペポスカボチャ(バターナッツ)ジャガイモ、茄子、サツマイモなどは夏野菜なので常温で冷涼なところに新聞紙などでくるんで保存。
冷蔵:5~10℃の温度は春、夏、秋野菜の殆どです。葉物野菜は傷んでいる部分を取り除き堅く絞った布巾もしくはキッチンペーパーでくるんでポリ袋に入れ口を軽く縛って
冷蔵する。果菜類も同様です。トマト、ナスなどは冷気で傷んでくるので冷蔵するのであればキッチンペーパーなどでくるんで袋に入れておくと長持ちする。
やや低い冷蔵:0~5℃ニンジン、大根、カブなど冬場に収穫する野菜 ルタバカ、パースニップなどは0℃で管理すれば長期保存が可能です。
結球野菜の処理:キャベツやレタスなどは芯をくりぬいてキッチンペーパーなど湿らせた物を詰めておく方法が案内されていますが実用的でないことと処理方法が悪いと
逆に腐らせてしまうので早めに使い切ることをお勧めします。
※キッチンペーパーの効果は適度な湿度、乾燥、冷気から守ってくれるので使い方を工夫すれば長期保存に効果大。
※すべて使い切るのではなくの残った場合などは切り口をラップなどで覆い水分が逃げるのを防いで最適な上記方法で常温品でも冷蔵する
2)収穫時の在るべき姿の状態を保つ。
特にアスパラガスや葉物類は横にしておくと下になった側は傷みやすくなりますしホルモンが作用て上に向かって立ち上がろうとします。
その時かなり体力を使うので湾曲し傷み易くなります。鮮度の良いものほど曲がり易い。横に寝かすのではなく立てて並べるのがベストです。
3)根菜類に言えることですが根部分と葉部分に分けてしまう。(葉をつけておくと傷み易い。)
切り分けてそれぞれの方法で冷蔵。根部はペーパーなどでくるんでポリ袋に入れ冷蔵。根部は葉物ほど消耗が激しくないので横に並べてもかまわない。
4)ミニ野菜はなるべく早く使い切ることが肝心です。
水気を切ってペーパーでくるんでポリ袋に入れ冷蔵する。
カット野菜の様に細かくすることによってエチレン(消耗を促進するホルモン)が多く発生するので傷んでくる。(2~3日位)
5)補足として果実や葉根菜類を美味しく食べるコツ。
収穫したての野菜は美味しそうですが野菜によっては少し時間の置いた方が美味しくなるものもあります。
収穫したてのサツマイモは15℃くらいの温度で1か月くらい管理することで甘くなる。逆にジャガイモ、栗は0℃くらいで1か月くらい管理することで甘くなる。
それぞれの最適な温度帯で澱粉が糖化してくるので甘くなるのです。
サラダには不向きですが熱処理をすることによって栄養や色を残すことが出来ます。茹でた後水切りをし袋に入れて冷凍する。(熱処理する前に使いたい大きさにしておくのがコツ。)
調理は解凍せずに調理する。カリフラワー、インゲンなど豆類、ニンジンなど根菜類、茹でて使う葉菜類。
※いろいろ案内してきましたが鮮度のいい状態で早めに使うことが一番です。特に葉物野菜は劣化が激しいので早めに使い切ることが肝心です。
見た目よりもビタミン、ミネラルの消耗が大きいです。
長文になった感はありますが鮮度維持テクニックを生かして美味しい野菜をお客さんに提供してください。
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