健康は農作物からが基本!
私達は命を繋ぐためにエネルギーとなるコメや麦を食べ、体の成長維持に肉や魚で骨格を作り、体の機能を維持し整えるためにミネラル、ビタミンを食べ物から得ています。
農産物は命の糧となる重要なポジションを担っています。
就農して僅か40年ですが、栽培している過程で得た少しの知識ですが、農産物が持つ機能性について少しでも【健康と美】に役立てほしい想いから少し照会してみたいと思い筆を執らせていただきました。
1、ビタミン、ミネラルの働き
ビタミン、ミネラルは女性にとってはいつも気にしたい存在の一つだと思います。
特にビタミンⅭについては意識が高いビタミンです。ポリフェノールの一つで抗酸化作用の働きで体の代謝維持を担っています。ビタミンは大きく体作りには寄与しませんがなくてはならない存在です。
このように三大栄養素の代謝を助け体の維持に少量ですが手助けをしています。
ビタミンの種類はÀ、B、Ⅽ、Ⅾ、É、K、などがあります。中でもÀ、Ⅾ、É、K、は脂溶性ビタミンでB群、Ⅽ、は水溶性ビタミンです。
水溶性ビタミンの働き
ビタミンⅭ、は上記で説明した様にコラーゲンの成分として働き強い紫外線などから皮膚を守りシミやしわを予防するなどの働きがあります。野菜や果物から摂取できます。
ビタミンB群にはいくつかの種類があります。
B1,B2は糖や脂質をエネルギーに変える代謝の働きでB2は疲れた時に食べれば糖代謝を促します。ウナギ、レバーなどに含まれており元気回復のビタミンです。
B6はたんぱく質やアミノ酸の代謝で粘膜や皮膚を守る働きがあります。玄米、バナナ、サツマイモなど。
B12は赤血球の形成にかかわっています。動物性でレバー魚貝類に含まれています。
ナイアシンは酸化還元反応をつかさどり皮膚や粘膜を守る。玄米など。
パントテン酸はエネルギー代謝。玄米、アボカド
葉酸はDNA、RNAなど遺伝子の合成に重要とさています。妊娠時など胎児の成長には欠かせない存在となります。成人でも野菜の摂取が不足気味の方は摂取が必要です。
ブロッコリー、法連草、レタス、アボカドなど野菜類。
ビオチンは皮膚や髪の健康を保つ。 卵、野菜や果物を摂っていれば大丈夫。
脂溶性ビタミンの働き
ビタミンÀは粘膜など細胞壁を正常に守り体の成長にかかわっており抗酸化作用があります。
法蓮草、トマト、ニンジン、パプリカ、南瓜など赤や黄色の野菜。
油との相性が良いので使い易くありがたいです。
ビタミンⅮはカルシュームとのつながりが強く骨作りに関係しています。Ⅾはそのままでは効果が少なく戸外で日光を20~30分浴びることで活性化されます。キノコ類。
ビタミンÉは細胞膜の中に多く含まれ血管をしなやかにして血流を良くする働きがあり抗酸化作用も有しています。腸内細菌によっても作られます。
南瓜、ブロッコリー、アボカド、パプリカなど
ビタミンKは血液凝固と骨の健康維持が主です。野菜や果物を摂っていれば大丈夫です。
以上ビタミンについて照会してきましたが微量で体の維持に寄与しているビタミンもあるかもしれません。できればサプリでなく食品から摂取していただくのが健康につながるものと考えます。
ミネラルの働き
ミネラルにはカルシューム、マグネシューム、カリ、鉄、ナトリウムなどがあります。その他微量のミネラルもありますがここでは省きます。
カルシュームはリン酸カルシュームとして骨格つくり血液凝固、筋肉の収縮などの働きがあります。大豆や乳製品
マグネシュームはカルシュームと同じ働きをしますが、軟骨や髄液作りのたんぱく質合成に働きます。大豆、海藻、肉類、
カリはたんぱく質の合成や細胞内液の浸透圧や酸塩基のバランスを保ちます。果物、野菜全般、芋類など
鉄は細胞に酸素を運ぶヘモグロビン(色素タンパク)です。酸化還元酵素の活性化。
農業面でも多収穫栽培を続けていると不足します。野菜、穀物などでも不足気味の状態が見られます。体内で不足すると老化現象が現れシミ、シワが目立つようになります。正常であれば日焼けしても数か月で新陳代謝が進むにつれて元に戻ります。
野菜全般、レバー、魚の血合い、赤肉など
ナトリウムは体液の浸透圧を調節 胆汁、膵液、腸液の材料。
WHOでは5g推奨 日本は10g前後でとりすぎ。
代表的なミネラルを案内しましたが微量で働くミネラルもあるので多種類の食品を摂取する事をお勧めします。
2、食物色素の働き
一般野菜には色がついたカラフルな野菜は少ないですが、洋野野菜には赤、黄、紫、白などの野菜が沢山あります。色素も野菜が独自に獲得したポリフェノールです。
私たちの健康にも役立っています。
シアニン系色素はブドウ、ブルーベリー、紫ニンジン、ビーツ、赤レタス、イチゴ、リンゴの色素で有名です。水溶性で水に長時間つけ置き 煮込むなどで色素が出てきます。調理には注意。
抗酸化作用を有し血液の流れをスムーズにする作用もあるようです。また目に良いとされ目の機能改善にも働いているようです。
農家の視点で見ると冬に赤くなる野菜が多いのも体を動かす機会が少なくなり、血液の流れがとどこうるのを防ぐためなのかなと思っています。自然のサイクルは良くできています。
カロテン系色素はα,βカロテンとリコピンなどがあります。ニンジン、南瓜、トマトなどです。抗酸化作用があります。トマトのリコピンは血液の流れを改善するといわれています。ビタミンÀ効果。
色素は色素同士がまじり合うものも沢山あり分類も複雑です。植物が強い紫外線から身を守るために作られたものが色素となりポリフェノールです。私たちは食生活に取り入れて食欲増進又高揚感を感じながら食事を楽しみ健康効果を得るそれが野菜や果物の最高の演出であり健康への近道ではないでしょうか。
3、食物繊維の働き
食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と溶けない不溶性食物繊維の2種類があります。
水に溶ける水溶性の繊維にはペクチン、マンナン、アルギン酸などがあります。
野菜を食べている時に筋のようなものを感じることがあると思います。それが不溶性の繊維でヘミセルロース、セルロース、キチンなどです。
先人たちはセルロースで紙を作ることを見出しました。近頃ではバイオエタノールの原料としても注目されています。
説明したように繊維にも二種類があり私達の体の整腸作用など健康を保つ上で重要な働きをしています。
水溶性食物繊維の働き
水溶性食物繊維は水に溶ける繊維を指します。
思い浮かぶ効果は食べ物が便となり排便を助ける役目を担っているぐらいのことかと思いますが、とても重要な働きがあります。
腸内フローラの言葉を耳にしたことがあると思いますが、腸内に住み着いている善玉菌の餌となり善玉菌が免疫の働きを活発にします。
又、体に必要なビタミンなどを作る働きも担っています。大豆など穀類、芋類、海藻、果菜など
不溶性食物繊維の働き
不溶性食物繊維は水に溶けない繊維です。
役に立たないと思われるかもしれませんが、水溶性食物繊維に負けない働きをしています。
竹のような繊維を口にすることはありませんが野菜などを食べると不溶性食物繊維も同時に腸内に送られてきます。
硬い繊維を分解する菌も腸内には存在し腸内に食物がとどまらないように細かくし嵩を増やすことで排便に役立っています。繊維分はどちらも腸内フローラを助ける働きがあり悪玉菌と善玉菌のバランスが図られ腸内環境を整えてくれています。善玉菌が多いと便が臭くないのは腸内環境が良い証拠です。腸内環境を整えることで免疫機能を高めることもできます。
穀物について見てみると玄米の繊維分は糠となり皆さんが捨てている部分に繊維分も豊富です。健康には全粒粉(全く精米していない状態)が良いとされていますが、自分で玄米を購入し玄米食とするか五部ズキ(軽く精米したもの)にするしかありません。
五部ズキは生命の源となる胚芽も残るので繊維だけでなく生命力の元、ビタミン、ミネラルも同時に摂取する事が出来ます。
4、抗酸化力の概念と働き
抗酸化力とはワインの赤色に代表されるように植物が持っているポリフェノールそのものです。色素だけでなく辛味、苦み、香り、ビタミンなどもポリフェノールで抗酸化力を有するポリフェノールです。
活性酸素とは私たちが生きるために絶えず取り込んでいる酸素の一部が他の分子と結合して高い酸化力を持つものが活性酸素です。体内で沢山作られると細胞を傷つけ 老化を早めたりします。
その活性酸素の害を少なくするには抗酸化力のある食品(ポリフェノール)を沢山摂取することが重要となります。野菜や果物などです。
ただこれだけでは生活に必要なタンパク質、糖分、脂質、ミネラルも不足となります。上手にバランス良く摂取することが生命維持には重要となります。
体の内に現れる害といえば血管の障害を思い浮かべる方も多いと思います。
肉など酸化しやすい食品ばかり食べていると活性酸素の影響で血管内が酸化して傷がつき悪玉コレステロールなどがかさぶた状にたまって起こるのが脳梗塞、心筋梗塞です。西洋でステーキにクレソンがついているのは辛味の抗酸化力を生かして体を守っているからです。飾りではないので一緒に食べていただきたいです。
体の外に現れる害といえば女性で気になるのが顔に出るシミやしわだと思います。これも活性酸素とミネラル、ビタミン不足の影響です。
酸化しやすい食品ばかり食べていると活性酸素の影響で皮膚の老化を早めることが知られています。ビタミンⅭはお肌に欠かせないものですが植物が強い紫外線から身を守るために獲得したポリフェノールです。ビタミンミネラルのⅭ,É,鉄などは複合的に内側から皮膚を守る働きをしてくれています。化粧品も大事だと思いますがベースとなる内側を大切にする食生活こそ最も重要だと思います。
以上、活性酸素と体の内外に与える影響を案内してきました。日本に定着している野菜が劣るものではありません。
洋野菜は肉食文化の中で育まれた経緯もありちょっとだけ機能性としての特徴が優れているようです。ただ国産の野菜は食べやすさを追求するあまり旬菜でも機能性の特徴が薄いように思います。野菜や果物は旬の時期に最高レベルのポリフェノールを蓄えるのでそれを利用したいものです。
私は野菜の特徴が十分発揮されるように旬の時期を基軸にした自然栽培です。
健康を願って皆様のお役に少しでもなればと思い十分な内容ではありませんが、特筆すべき項目だけ照会させていただきました。